住み替え 空き家(3000万控除適応の留意点)
自宅から老人ホームへの住み替えについて
数年前に主人を亡くし、現在一戸建ての自宅に一人で住んでいます。最近、足腰が弱ってきて、2階にある寝室と1階にあるダイニングとの上り下りや、庭の手入れなどがかなり負担になってきました。
子供は息子が1人おりますが、お嫁さんなどへの気兼ねしながら同居するのも嫌なので、できれば老人ホームなどへ住み替えたいと思っています。
もし、老人ホームへ住み替える場合、自宅を売らなくても入居資金は捻出できそうですが、最近は空き家問題がよくニュースで取り上げられています。老人ホームに入居後、自宅を空き家にしておくと何か問題があるのでしょうか。
配偶者の方に先立たれ、お一人になって、ご自宅での生活に不安を抱えていらっしゃる高齢者は非常に多く、私どもでも良くご相談を受けます。
「老人ホームに入居後、自宅を空き家にしておくと何か問題があるか?」というご質問についてですが、ポイントはいくつかあります。
まず、自宅に関して、もし今すぐには売らなくても将来売るかも知れないというお考えでしたら、自宅などの居住用財産を売却した時の3000万円特別控除について着目する必要があります。これは、本来、不動産を売却した時に課税される所得税と住民税を、居住用の不動産については売却益(買った時と売った時の差額)が3000万円まででしたら免除しますという制度です。この特例がもし使えないとすると、所得税と住民税を合計した税率は約14%となりますので、仮に譲渡益が3000万円出たとすると税額は約420万円ということになります。この特例が受けられるか受けられないかは自宅を売却する際に非常に大きな問題です。
例えば、老人ホームに住み替えをされる時に、自宅をすぐには売らずに空き家の状態にしておいたとします。そして、その後自宅を売却したが空き家にしていた期間が3年を超えた場合、3000万円特別控除の適用を受けられなくなる可能性があります。また、近年空き家対策特別措置法が施行されましたことにより、行政から特定空き家の指定を受けると、実際に土地の上に建物があったとしても、敷地の固定資産税が6倍になってしまったり、行政代執行による強制的な取り壊しの対象となってしまう可能性があります。
私どもでは、老人ホームなどに熟知した複数の紹介センターと業務提携しておりますので、ご相談いただければ連携して入居先の選定、ご自宅の売却、入居後にご本人を支援する法的枠組み作り、将来相続でご家族が争わないためのご提案など、総合的に高齢者の住み替えを支援しております。
気になる事などありましたら、お気軽にお問い合わせください。
3000万円控除適用のタイムリミット